CALENDAR
Sun Mon Tue Wed Thu Fri Sat
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031    
<< October 2017 >>
SELECTED ENTRIES
CATEGORIES
ARCHIVES
PROFILE
LINKS
本だな
好きな本、大切に思う本を
すこしずつ並べていきます。
MOBILE
qrcode
OTHERS

ぱんせどフランセ

思いつくまま、たまに仕事のことなども。

福祉の現場に生きる人たちへのインタビューをもとに書いた
ルポルタージュ「日々を織る」も連載しています。
囲いを打ち破る。Vol.2 |「日々を織る」
0

     

    ☆「日々を織る」福祉の現場に生きる人たちのルポルタージュ☆

     

    Person 2  北井陽子さん

     

    囲いを打ち破る。

     

     人というものを好きになれる仕事

     人と関わろうと決めて

     福祉の世界へと導いた一冊の本

     理想と現実のギャップ

     理想への第一歩、スタッフと思いを共有する

     保護者の胸の内

     信頼を育てる

     一緒にゆっくり歩むという支援の姿

     垣根の存在

     内と外、二重の垣根

    ⅺ ひとつの出会い、垣根を破る突端

    ⅻ 子どもたちと利用者たちとの出会い

    xiii 垣根のない子どもの心

    xiv 地域の中へと、垣根のない道を  

     

     

     

    教師になろうと教育学部で学んでいた北井さんはゼミで、

    知的障害児の教育を行う「近江学園」の創設者

    糸賀一雄氏の思想について学んだ。

     

    知的障害のある子ども達の福祉と教育に生涯を捧げ、

    社会福祉の父とも呼ばれる

    日本における社会福祉の実践家の思想を

    若い感受性が吸収した。

     

    さらに、その

    糸賀一雄氏に近江学園を創設するよう働きかけた

    田村一二氏の講演を聴く機会に恵まれ、著書を読んだ。

    それが、北井さんにとっての

    障害者という存在との出会いだった。

     

    田村氏の著書「忘れられた子ら」は

    今も北井さんの、とっておきの一冊だ。

    そこに描かれている知的障害のある子ども達と、

    田村氏自身がモデルとなった

    若き男性教師の日常は、

    なんとも愛とユーモアと切なさに溢れていた。

     

    まず、教師手ずから

    子ども達の顔を洗い、髪を刈り、

    歯を磨き、耳掃除をして

    受け持った子たち全員の身なりを整え、

    次に子ども達の使う

    独特の言葉を覚えるところから始まり、

    一人ひとりの個性を理解し、

    読み書きそろばんを教え、

    人としての道理を説いていく。

     

    その教師と子ども達の姿が

    なんとも生き生きと描かれている。

     

    相手が障害児であとうとなかろうと、

    良いことは良い、悪いことは悪い。

    人への優しさ、思いやり、

    ものの道理と善悪を曲げない。

    その一点を貫いて、あとは

    子ども達をのびのびと育てる姿に、

    教育の原点を見るような物語だ。

     

    教師になろうと学んでいた北井さんは、

    教師と子ども達のその興味深い物語を通して

    障害者という存在に出会い、

    障害者とともに暮らすということの

    あり方を教えられた。

     

    若い教師と子ども達の

    ハチャメチャで、てんやわんやで

    けれど、この上なく愛情に溢れた物語は、

    若い北井さんの胸に、

    教師という仕事への期待を育てたに違いない。

     

    ところが、

    「教育実習で小学校に行って、私、

     自分のことを教師に向いていないと思ったんです」。

    親に勧められて、自分は教師になるんだと疑うことなく

    教育大学への進路をまっすぐ歩んできたけれど、

    実際に、子ども達と接してみると

    子どもに対する好き嫌いがあった。

     

    そんな自分の姿に気づいた北井さんは

    なぜ、自分が教師になろうとしてきたのかを

    あらためて見つめ直した。

    そして、よくよく考えれば、

    子どもが好きで、子ども達の教師になろうとしたわけでは

    なかったという考えに至った。

    親の勧めがなければ

    選んでいなかった道かもしれなかった。 

    「こんな自分が、このまま教師になったら、

     子どもを不幸にする」

    そう思った北井さんは、教師への道をすっぱりと捨てた。

     

    そればかりか、人の好き嫌いがある自分は、

    人に関わらない方がいいかもしれないと、

    IT関係の会社に就職した。

    人と接することが少ないと選んだ職場だったが、

    働きはじめて、いちばん楽しかったのは

    お客さんからの問合せに答えたり

    打合せをしたりという、人相手の業務だった。

     

    北井さんが対応したのは、

    町の鉄工所の男性たちだった。

    「町の工場のオッチャンたちと接している時が、

     多少、ややこしいことがあっても苦にならず、楽しくて。

     あれ、自分って意外と、

     人と関わる仕事に向いていたかもしれない」と

    あらてめて思ったのだった。

     

    そして、子育てにゆとりができて再就職をとなった時、

    今度は、人と関わることそのものを仕事にと決めた。

     

     

         次回は、  福祉の世界へと導いた一冊の本

     

     

    協力:社会福祉法人 産經新聞厚生文化事業団

     

    hihi wo oru

     

     

    JUGEMテーマ:社会福祉

    | ☆ルポルタージュ「日々を織る」 | 07:51 | comments(0) | trackbacks(0) |